雪解けの能取岬
2006年 03月 11日
ここは、いつきても風がビュービューの場所だったのだが、
今日は穏やか。気温も上がり雪解けがすすんだ。
足元がべちゃべちゃなので、歩くとすぐに靴が湿ってきた。
断崖絶壁を見下ろせる場所は水たまりになっていて近づけない。
やっぱ、この季節は車に長靴積んで来なくちゃね。
北に、いつもはくっきり見える水平線もぼやけている。
海がかすんでいて、東に知床方面の山々は見えない。
こちらは、西側能取湖を望んでいる。
帰りがけに、郷土博物館に寄った。
博物館では、今月いっぱい、モヨロ貝塚発掘成果展を開催。
モヨロはオホーツク海に注ぐ網走川の河口左岸の丘陵地帯にある。
北方から南下してきた民族が、縦穴住居を作って暮らしていた。
アイヌが北へやってくる以前のことだ。
現在三年前から、五十二年ぶりに発掘調査が再開中。
オホーツク人と呼ばれる人たちはカラフト半島から北海道のオホーツク海沿岸地域に住んでいた。
その頃、東北の北から北海道にかけては擦文文化圏があった。
日本は、まだ奈良時代。
朝鮮半島は、新羅、中国は唐の時代。
オホーツク人(モヨロ人)も、魚をたくさん食べていた。
住居跡の土壌からは魚骨層の堆積がある。
ニシンが最も多く、イトヨ、ウグイ、カレイ、サケなどの魚の他に、
シジミ、カキ、エゾバフンウニなども検出。
オホーツク犬と呼ばれる大型の犬を飼っていた。
住居跡の発掘調査と同時に、墓の調査もすすめられている。
北からやってきたオホーツク人は、400年近くここに住んでいたようであるが、
どこへ行ったのかはまだよくわかっていない。
その後モヨロの地はアイヌ文化圏となる。
ここは、千年前から人が住んでいたところ。
発掘調査は、根気よく丁寧に行われている。
週刊、司馬遼太郎の『街道をゆく』2005.9.11号朝日新聞社刊のシリーズのNO.33「オホーツク街道」に詳しい。
http://www.kaidou.net